唾液腺(せん)から分泌される混合液をいう。
哺乳(ほにゅう)類の唾液腺には普通三対の大唾液腺(耳下(じか)腺、顎下(がくか)腺、舌下腺)と多数の小唾液腺(口唇腺、舌腺、頬(きょう)腺、口蓋(こうがい)腺)がある。
耳下腺はタンパク質や酵素に富んだ粘性の低い漿液(しょうえき)性のものを分泌し、顎下腺、舌下腺は漿液性のものと、タンパク質や酵素の少ない粘液性のものとの両方を分泌する。
唾液は無味、無色、無臭で、多少粘稠(ねんちゅう)性があり微アルカリ性で、水素イオン濃度(pH)はウマ、ブタで7.4、イヌで7.5、ウシで8.3。比重は1.004~1.007。成分は水、ムチン、プチアリン(アミラーゼ)、アミノ酸、尿素、尿酸などのほか、ナトリウム、カルシウム、カリウムなどの無機塩である。
デンプンを分解する消化酵素のプチアリンは、ウマ、ヒツジ、ヤギなどを除く草食動物にはあるが、肉食動物にはほとんど認められない。
唾液のおもな生理作用は、口腔の乾燥を防ぐ、食物のそしゃくや嚥下(えんげ)を円滑に行うのに役だつ、消化を若干行う、食物中の味質を溶解して味覚を誘発し、そしゃく運動や消化液の分泌を促進する、などである。
